2014年2月19日水曜日

以前にHPにのっけてた内容を再度掲載しようと・・・
同じ意見の方がいらっしゃるのか知りたいと思ってます。


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理論上で計算できない製作技術なのか!Vn弓の製作技術


ここでは私が個人的に気になる箇所を手持ちの楽弓や専門家などのお話から意見を書いた物で、正直言って責任持てない内容です。しかし、数値データなどは偽り無いもので、研究の参考になれば幸いです。過去には時折お付き合い頂いている仏のR氏などにも意見を頂いたりしましたが、やはり自分で感じるままに解析し、後に意見(鑑定なども)を頂戴したほうが夢が膨らみますね~。
まずはこの双子ちゃんの様な弓に関して


奥側1920年頃 Louis Bazin
手前1910年頃 Louis Bazin

「見事にそっくりなヘッド」ですが・・・  
よ~くご覧下さい。僅かに肉付き感が違いますね。(奥側のが肉厚です)

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手元もそっくりです。

シェイプに関しては興味深い差が、この2本の比較にするべき点としてあげられます。
ヘッドに向かって面取りの始まる位置までのスティック直径平均値までは同じですが、面取りの仕方がこの2本は全く違う削られ方がされています。

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奥側1920は、手元より伸びてくる8角面に対して、平均して面取りが施されいます。そして、何よりもヘッドの喉元まで断面の形状がほぼ真円に近い形状である事が驚きでした。(ちなみに、スティック材のフェルナンブコの杢のうねりが約15cm間隔で見える。かなりの剛弓) 



手前1910は、かなり手元寄りの位置から面取りが施され、8角面に対しては断面に対して左右方向に太らせてある構造になっています。それに相反して、ヘッドに近くなるほどに、今度は上下のサイズが大きくなっています。(ちなみに、スティック材のフェルナンブコの杢が細かな間隔でスネークウッドの様な柄が薄く見える。レスポンスの良い弓です) 





画像では判り難いかもしれませんが、奥側のスティック材は見事なまでの杢のうねりが見えます。手前のはスネークウッドの様な細かな杢です。


材料を知る事で、上記の様にシェイプ方法を変えて製作ができる! と、考えると、ヴァイオリン本体よりも遥かに高度な技術が必要なのかもしれません。
ただの1本の材木なのですから、誤魔化す事はできないですし。それがそのまま演奏に影響する魔法の棒なのですから大変です。 そんな単純な中に理屈理論で解決できない至極最上の楽器(と呼ぶのでしょうか?)・・・・ 今まで誰がその弓について参考図書を書いたでしょう。数える程しかいないのでは?
それだから、演奏を極める為に日々研鑽に励む奏者は、Vn本体よりも「自分に合う理想の弓」を追い求めているのでしょう。

色々と調べる過程で、私が個人的に思う事は「今後の時代にそれだけ良い木材(材料)が入手できるのか?」と心配になります。これだけの技術的な部分が後世にしっかり伝わってきている現代に、それほど沢山の「素晴らしい弓があった」と言う話は聞きません。という事は、トルテやぺカット、バザンやボアラン等の作者が厳選して使っていた秀逸な材はもうすでに現在に残っていないのかもしれませんね。科学の技術でカーボン素材などシンセティックな素材に磨きを掛けて行くのが、これからの楽弓事情なのでしょうか?寂しい時代なのでしょか・・・
今の私のメイン棒は「Bazin工房製」のマルタンスタイルのこの弓で~す。 

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次回はヴァイオリンのニスの記事を復活します(^^)/

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